『作曲、作譜環境をLinux上に構築 するには』

■概要■

  MusiXTexは、楽譜を組むためのTeXのマクロです。
  フランスのCentre大学固体物理学研究所のDaniel Taupin氏、オーストラリアの気象研究
所のRoss Mitchell氏 、ドイツ西部のボーフム大学のAndreas Egler氏によって開発されま
した。
  商用の楽譜と同等の楽譜を作成可能です。しかし、様々な楽譜に対応するため、構文が
非常に複雑になっており、普通はプリプロセッサやラッパーを使って簡便に楽譜を書き ま
す。

  プリプロセッサとして最もよく使われるのがDon Simons氏の作られたpmxです。
他にも、abcという名のものもあります。

  しかし、アルファベットで打ち込むのは実感がわかないので、X上で 楽譜を書け、しか
もpmx形式に出力できるアプリケーションがあった方が良いのでしょう。
  rosegardenは、この分野の草分けとして知られています。Chris Cannam 氏が開発され
ま した。
  なお、現在はQtを使ったKDEのアプリケーションとして開発が継続されています。
  マウスの操作である程度の楽譜を作成することができます。 その楽譜をpmx形式で出
力し、多少手直しして、pmxコマンドでdviファイル にすると、商用と見紛う楽譜が完 成
します。
  また、rosegardenは、描いた楽譜をmidiファイルに出力できます。細かな タイミング
や 音色の調整も可能です。マウスで音符を記入した楽譜を、その場で演奏して聞くこと
が できるので、ピアノなどから離れていても楽に作曲できます。

■入手方法■

●  MusiXTeXやpmxの種々のパッケージが、Don Simons氏の管理されているサイト

http://icking-music-archive.org/software/indexmt6.html

で配布されています。この中のRPMファイルやソースRPMファイルを利用する と簡単にイ
ンストールできます。また、詳細な解説文が掲載されています。上のサイトを訪れると
MusiXTexについて全てを知ることができるでしょう。

ただし、pmxは、UNIX向けに pmx_x.x.x.orig.tar.gz パッケージが配布されているので、
それを展開してmakeします:http://packages.debian.org/testing/source/pmxこ のパッ
ケージはRoland Stigge氏が管理されています。

●  rosegardenのソースrpmパッケージはJRPMのリストに入っていま す。 あるいは、

http://www.rpmfind.net

を利用するのもよいでしょう。rpmfindでrosegardenを検索すれ ば見つかります。
勿論、ソースは一次配布元からも入手可能です。(下のリンクは古いが安定したバージョン)
http://www.all-day-breakfast.com/rosegarden/2.1/index.html

■インストール■

  いずれにしろ、ソースからビルドするのが無難です。
あるSRPMパッケージを入手し、例えば名前がhogehoge-***.***であるとします。

# rpm --rebuild hogehoge-***.***.src.rpm
# cd /usr/src/redhat/RPMS/i386
# rpm -Uvh hogehoge-***.***-*.i386.rpm

で簡単にインストールできるはずです。
  コンパイルに失敗するときは、出来るならば、コンフィグレーションファイルかソースコ
ードを修正してパッチを作り、フィードバックするべきでしょう。

ただし前述のように、pmxについては、RPMやZIPファイルではなく、 UNIX向けにtar.gzが配
布されているので、それを利用します。

■使い方■

  まず、rosegardenで作曲し、メニューからpmxファイルに出力します。
作成されたpmxファイルを以下のようにdviにします。

$ pmx foo.pmx

foo.dviが作成されるので、

$ dvips foo.dvi

でfoo.psを得、印刷します。
  楽譜の手直しをする場合は、musixtexやpmxのパッケージに詳細なドキュメントが 、PSフ
ァ イルで添付されているので、それを参考にします。
  例えばパッケージhogehogeの中に含まれているPSドキュメント類を検索するには、

# rpm -ql hogehoge | grep .ps

等とします。やはりgrepは重要です。

○和音を打ち込むには

和音は、作りたい和音に含まれる音符をまず打ち込み、それらをマウスで選択し、 下図の矢
印のボタンをクリックします。

■不思議■

  ところで、音楽関係のマクロやソフトウェアはほとんど、数学者と物理学者の 方々が開発
されています。音楽はやはり数理系なのでしょうか。

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